CM発注方式は、施主とCMR(コンストラクション・マネージャー)とで、発注代行サービスの委託契約を結び、施主に代わり施工業者選定及び工事発注金額の交渉を委任されて実施します。
従来見積方式との相違点としては、まず不特定多数のサブコン・メーカー等に声をかけ、発注説明会を開催します。その説明会で説明した見積条件(支払条件、見積方法及びサブコン差換え等)を承諾し参加依頼を出してきた業者のみに、CMRが積算した見積単価抜き内訳書及び設計図書等(各業者関係する部分のみ)を渡し見積を取ります。
専門工事会社を広く公募し、多数参加していただくことで、各工種の金額を圧縮できる可能性が増える効果が期待できます。
さらに、ゼネコン及びサブコン・メーカー等についてもこの機会に新たな取引先が増える可能性があるので、マイナスになる話ではありません。
ただし、ゼネコンに関しては気心の知れた業者との付き合いの方が、管理が楽で契約を結ぶにあたっても安心できるという観点から、嫌がる可能性があります。
ゼネコンは差し替えられたサブコン・メーカー等と面談等を行い、ゼネコンの責任において直接下請け契約を結んでもらいます。万が一差替えたサブコンが倒産等の状況に陥った場合においても、見積金額の変更なしに工事を遂行するという条件とします。
CM方式を活用することで、施主にとって従来方式の不透明な原価を明確にし、今後の計画における建築単価ベースとなり、必要以上の建築コストを支払うリスクを軽減し、合理的発注を可能にします。